ファゴット奏者 水本芳枝

こんなかんじでリード作ってます

リードの作り方について検索されて来られる方が多いようで…情報が少なくてすみません。はっきり言って私の作り方はふつーなので、他を探したほうがもっと詳しく書かれていると思うのですが(;´∀`)自分用のメモも兼ねて、少しだけ書き留めておきます。まず材料ですが、私はダンツィ(オヴィディオ)のプロファイルドケーンのナロータイプと、リーガーのティップ2番でシェイプしたものを使っています。他にもいいものはあると思いますがとりあえず今は上記のもので安定して作れているので…材は色々試したことがあるのですがこの辺に落ち着きました。オヴィディオは大学の時の先生とバイト先に勧められたのがきっかけですが、張りが強い傾向にあるのでいつも結構削ります。特に近頃の演奏活動は木五とか、ファゴットからしたらかなり体力を使うものが多いので軽めで中低音がしっかり鳴るリードを…と思うと必然的にそうなる。オヴィディオはプロカマケーンが売ってなくて(少なくとも国内では見たことないです)、シェイプがナロー、M、ブロードから選べるのですが(渋谷の某店ではそんな名前で売ってます)、一番細いタイプのナローでもティップは大きめで、リーガー2番とあまり変わらないです。最近Mとかブロードとか手に取ってないのでうろ覚えですけど、こちらはティップというより首が太めな感じで私は好みではありません…。逆にブロードを買って手持ちのシェイパーで好みのサイズに調整するという方法もありますが私はナローでちょうどいいのでそればっかりです。リーガーはオヴィディオに比べると柔らかかったり繊維が荒い傾向がありますが、プロファイリングの時点でしっかり削られているので、作るのが楽。2メーカーのケーンは、性格は違いますがなんかそれなりにやりくりできてます。以前も書きましたがマシンの類は持っていません。個人的にはそこそこ忙しいプロ奏者で毎日毎日長時間吹く人でない限り必要性を感じないのですが、マシンがあったほうが安定してリードは作れると思います。あとマシン代は高いですが、その分材料費は抑えられますし。「リード作るのが趣味」で購入する人もいらっしゃるようです。私はプロファイリングが済んだケーンを買うので、購入の際にバランスを良く見て買えばいいだけです。丸材やガウジングのみのケーンよりは高いですが、大量にゴミが出てしかも全部当たりとは限らないという面倒な作業をやってもらって、さらに選別して買わせてもらってるという点を考えれば多分妥当です…よね?プッペの組み方も変わったことはしてません。水につけたあと、裏側を目の細かい耐水ペーパーでかるーくこすってなだらかにして、その流れで面取りもちょっとして…私は面取りはあまりしなくて、耐水ペーパーで根本に近いところの角を丸くする程度です。が、最近ちゃんとしたほうがいいかもと思い始めているので色々試してみようと思ってます。ワイヤーは第1ワイヤーを0.6mm、第2・第3ワイヤーを0.7mmで作ってます。モーレンはどちらかと言うと音がこもりがちなので、少しでも良く鳴るように一番上は細いものにしてます。第1ワイヤーに関しては乾燥後締め直す時も響きを殺さないようあまりキツくしないようにしています。首の切り込みですが最初に作り方を教えてくれた先生は「第1ワイヤーを巻いてからカッターで2枚同時に切っていく」というやり方だったのですが、これはマンドレルを挿した時にブレードまで亀裂が入りやすいし綺麗に丸くなりにくい気がするので、「二つ折りにする前にカッターで筋を入れてから折って第1ワイヤー巻く→ブレードにひび割れ防止の糸をしっかり巻く→マンドレル挿して丸くする」の方法に変えました。多分こっちの方が一般的だと思います。ちなみに筋を入れる時の作業はイーゼルがあったほうが安全です。平らな場所でやる時はブレードの角が割れやすいので強く押さえないように注意が必要です。糸は綿や麻などの天然繊維を使う人が多いですが、私はポリエステルのコーティング糸を使ってます…このへんは好みでいいのではないかと。素材で響き云々ありますが私は今のところ問題ないです。糸に塗るラッカーは「ジェルネイル風になるトップコート」を使ってます。普通のトップコート(透明マニキュア)に比べて厚みが出やすく光沢も出るのですがひび割れしやすいようで、特に天然繊維との相性は悪かったです。ひどいことになるので天然繊維にはおすすめしません(;´Д`)化繊の糸なら問題なく、ツルツル綺麗でやみつきです♡ただ化繊+しっかりめのコーティングということで、響きは抑えられる傾向にあるかもしれないです。削りで調整すれば問題ないですが…先端のカットは昔々JDRで買った爪切りタイプを使ってます。まだまだスパっと良く切れますがいつ切れなくなるかちょっと不安…いずれギロチンタイプを買いたいなーと思ってますが高いですよねー。爪切りタイプのものの中ではJDRの形が一番いいと思います。刃が斜めになってないので。削りですが、私の場合最初に根本の段差をナイフでしっかりめに作って、そこからはダイヤモンドヤスリ1本で削ります。ヤスリというとガッツリ削れそうな気もしますが、研磨用の精密タイプを使うのでそうでもないですし、なめらかに削れます。当たり前ですが目の粗いものは絶対使えません!ダイヤモンドヤスリと言ってもそういうものもあるので注意です。。。あ、形は半丸タイプの細い棒ヤスリです。リーマーはリーガーのスクリュータイプを使っているのですが、これは内径が毛羽立ちやすい傾向にあるので、そういう時にもこのヤスリでちょっと磨いてあげたりしてます。今思えばダイヤモンドタイプのリーマーを買えばよかったなぁ…後悔削る順番は色々模索しつつなのでなんとも言えませんが、今はキャリパーで厚みを測ったあとに根本をナイフで作ったらヤスリで先端の両サイド→全体を半分ずつ削る(中心部の厚みを残しつつ)→サイドを削る→全体を軽く削る…という流れでやってます。そこまでやってから再度厚みを測り、良さげなクロー音が鳴るまでは厚み・バランス含めかなり慎重に削ります。最後に目の細かい耐水ペーパーで表面を磨いて仕上げ。そこからようやく楽器につけて吹くのですが、削ってから楽器で音出しするまで大体1~2日空けます。っていうかこれは事情があってのことなんですが(楽器不可のところに住んでいるので削りと音出しを別の場所でしなくてはいけない)、削ったその日より次の日以降のほうが削りたてより状態変化も落ち着いて微調整には向いていると思うので、多分これでいい。微調整にもヤスリを使ってますが、ナイフでも良いと思います。ただ私はナイフを使うのがどうも下手で、、、よく食い込ませちゃったりするので、超細かいポイントを削るとかじゃない限りあんまり使いません。小さく切った耐水ペーパーのみで調整することもあります。ここまで来るとキャリパーもあんまり出てきません。…と、こんな感じで作ってます。細かい削り方は割愛しますが、一番参考になるのは「過去の良いリード」だと思います!私も過去一番気に入っていたリードの寸法・バランスを手本にしています。その他にも出来の良かったリードはデータを取っておくと良いと思います。お手本のリードを完コピしても同じものは出来ないですが、自分と相性の良いバランスであることには間違いないので、微調整でもあまり苦労せずに済みます。あと、バランスが悪いと私の楽器の場合特に音程に直結しやすいので、気をつけるようにしています。そういう意味でもキャリパーはあったほうがいいです。高いですけどね…キャリパーは国内で新品買うとすごく高いですが、海外のオークションなんか見ると中古品や新品が安く出てたりするので、抵抗がなければそういうのを狙うのもひとつの手だと思います。私はeBayで買ったのですが英語がさっぱりできないので代行業者を通しました…そんな感じです。参考にならないかもー!


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